組織理論学のヘンリー・ミンツバーグ教授によると、東欧の社会主義体制が崩壊した時に資本主義が勝利したとの誤解が現代社会に大きな不幸をもたらしているという。
当時の社会主義体制は、政府に過度に権力が集中していて社会バランスを欠いていたのに対して、西側諸国は、政府と民間企業、民間活動の3つのバランスが十分に取れていたのに、この点の理解不足により単純に資本主義体制の勝利と誤解した結果、ビジネスの力が過度に強まりバランスを欠いた社会になったと指摘している。
バランスの取れた社会は、治安や暮らしにおいて国民に信頼される政府、雇用や商品・サービスの質においての責任ある企業体制、そしてもうひとつが「人間」としての知恵を発揮し社会をより良くしようとする市民側の体制の3本柱で構成されている。
既存の破滅的なやり方に「ノ―」を突き付け、建設的なやり方に転換していく皆の活動、行動こそが社会のバランスを回復させるための柱となるという。
「歯止めなき強欲な市場か、過度の規制に走る国家という二者択一を強いられれば、私たちは袋小路に入り込み、身動きが取れなくなる」
~bollier and rowe 2011