ブランディングするにあたって、商品の素材や機能を数値と理屈でいかに説明しようと、ホームページやパンフレットに掲載した1枚の画像が与える印象には及ばなかったりすることがある。
画像の印象は人によって異なる。その人が今までの見聞きしてきたものや過去の記憶、他との比較において感じ取るものであるゆえに異なるのである。ただ言えることは、今の時代が求めるものであるか、そのブランドの「らしさ」を表現したものであるかどうかが重要である。
ブランディングを成功させる人は、単なる個人の嗜好の問題だけではなくて、今の時代をどのようにして生きようとしているのか、社会が抱える課題解決に向けた態度や活動に対して同時代を生きる人々の共感を得る人である。
多くの優れたブランドには、ブランドの感覚的「らしさ」があり、ファンとはそれを共有している人たちである。商品やサービスとそれを取り巻く情報やビジュアル、店であれば照明や音楽など知性的、感性的「らしさ」がある。
印象を与えようとする「意図」がありありと見える姿勢も支持されないが、深く考えずに、なんとなく、適当な「恣意的」な姿勢もうまくいくはずがない。どちらも「らしさ」の構築にはマイナスだと思う。