急激な社会の高度化は、我々に豊かさ、利便性を提供する一方、様々な社会的課題をも引き起こしている。
その課題とは、地球環境問題、精神的疾患・自殺者の増加、治安の悪化などに代表される、社会の安全・安心が脅かされつつあるという懸念である。我々は社会の高度化の持つ二面性に直面して、社会発展の本来の意義を再確認する必要に迫られている。
社会の急激な高度化に目を奪われ、次第にその波に飲み込まれて行きそうになる我々にとって、公共性について改めて考えることは、原点に戻るという意味で、欠くことのできないものである。
「公共性」とは、社会とそれを構成する個々人がより良い状態に発展することを目的とする。その意味からして、地域再生を考える際のキーワードの中でもひときわ存在感のある軸にすべきだと思う。
逆に言えば、公共性の感じられない方法では地域再生は遠のくばかりであるだろう。