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サッチャー女史
かつて来日したサッチャー女史が日本の政治に対して真のリーダーシップが欠如していると指摘した話がある。

マックス・ウェーバー(1864-1920年)は一般に社会学の創始者と呼ばれているが、組織研究に対する彼の主要な貢献は、なぜ人は命令に従うのかという彼の興味に端を発している。この興味は、抵抗にかかわらず服従を強いる力としての「権力」と、明らかに自発的に当然のこととして命令に従わせる力としての「権威」とを区別させることになった。

当時の人々は、縁者びいきや出生の偶然から権力や権威を得るのが一般的だったが、それに対してウェーバーが合理的でないと反感を抱くようになった。彼は、個人的判断や、感情、私欲で曇った判断から個人をできる限り解放する方法を考え始めた。

ウェーバーは、「権力」という概念の定義を、他人の抵抗があっても自分自身の意志を貫く力、極端に言えば他人を服従させる能力であるとしている。必ずしも「リーダーシップ」や「権威」と同義ではないとしている。

「権力」は人々の思考を停止させ行動を促す、そのことが「無責任の構造」につながりやすい。

古い組織では、「今までずっとそうしてきたから」という理由だけで、物事が同じやり方で処理、実行されることが多いが、現代の競争社会においては、このやり方の危険性は明らかである。大企業や大組織になればなるほど自社のシステムの中で身動きが取れなくなり、競合の追い上げや時代の変化、市場の消失に気づかなかったり、ただ惰性に流されるだけになる。このような組織では、物事を行なうには合理的分析ではなく先例が理由となる。

さまざまな組織での不祥事・事故は、外形的には「不正確な状況判断」と「倫理規範違反」という形をとるが、実際には盲目的な同調や服従が心理的な規範となり、良心的に問題を感じる人たちの声を圧殺し、声を上げる人たちを排除していく「無責任の構造」が原因だという。

これらを鑑み地域の活性化を考えると、「想い」の無い判断や発想は後退させる風土をつくり、成果への達成が明らかなテーマに対してはリーダーシップの必要性を認め、個々の創造的かつ自立につながるネットワーク型社会に向けては率いるリーダーは必要とせずに切磋琢磨の機会やイマジネーションを得る機会を多くすることが大切だと思う。
by stylejapan | 2013-04-15 00:00 | 地域再生
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