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手法の確立
地場産業なり地域活性化を考える際には、アイデアを先行させるのではなくて「手法」の確立に関心を寄せるのが筋道だと思っている。

基本となるプロセスは取り立てて難しいものではない。

ステップ1:実態把握
ステップ2:分析
ステップ3:対策立案

実態把握は、生じた事象の時系列を整理することである。
ここでは、発生した「事象」と「過去の政策」によるものの両方が含まれ、併せて「問題点」の整理を行う。
まずは事業を立案する関係者自らが下調べを十分に行い、その上で大学研究者等の識者を招いて、客観的視点を含めることも望ましい。始めから調査を外部に委託して、自らは汗水を垂らすことなくして判断だけを行おうとする姿勢から良い状況が醸成されることはないだろう。
実態把握にはフィールドワークは不可欠である。そのことは意思決定に関わる全員が行うべきであろう。
そして、生じた事象を「防止できなかったのはなぜか?」「発見できなかったのはなぜか?」「緩和できなかった/拡大を防げなかったのはなぜか?」の観点で整理するとよい。

分析とは、事象の中の出来事や問題点の中から、因果関係を見出すことである。
そして、因果関係の根っこの部分にある原因を根本原因として特定する。
原因のレベルにも様々あり、複数の原因が重なって1つの事象を生むことが多い。事象と原因との間に明確な因果関係があるとは言い切れない場合もある。
ただし、因果関係に飛躍があってはいけない。また、原因のレベルによって、仔細な原因には目をつぶることも大切である。なぜなら、考えうるすべての原因に同時に対策を打つことは業務上現実的ではない場合が多いからである。

分析のプロセスにて根本原因を特定した後、根本原因に対する対策を立案することになる。
対策を進めるにあたっては、「ゴール」の設定が欠かせない。それがなければ、形式だけの取り組みに終始してしまうからである。また資金や新たな人材の投入も必要かもしれないだろう。

アイデア在りきで手法そのものへの関心が無いとしたら、そのことは本来の活性化を願っているスタンスがあるとは言えないのではないだろうか。

物質社会から人生の充足感を求める時代になっている今こそ、誇れる街づくり、誇れる産業の創出に向けた手法の開発をはじめるべきだと思う。それらによって経済的利益の優先ではなくて、心が豊かになれる地域の再生を始めて欲しい。
by stylejapan | 2012-11-22 12:36 | 地域再生
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