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観光
「観光」という言葉の起源は、中国の儒教の古典とされる四書五経の一つである「易経」に記されている「観国之光~国(地域)の光を観す(示す)」に由来する。さらに「努力發国光~努力して国の光を發かん」とある。

「国の光」とは地域住民が誇る特色ある文化であり、それは地域に誇りを持って絶えずブラッシュアップされたものを指す。その意味では、地域の人々が地域に誇りも持って主体的に生活を営んでいることが必須条件だ。ひなびていても、そこの空気は人々の営みから生じるエネルギーが循環している印象だ。

人が集まって来るのは、日常的な努力の結果が発する魅力によるものであって、最初から既存の観光資源そのもので収入を得ようとすることが目標であるのは卑しいと思う。
もとある観光資源も地域の人たちの生活に根ざしたものでなければ、生きた「観光」対象とはならないだろう。

物見遊山的な消費を期待する観光施策には、地域への愛情が感じ取れない。
本当の意味での人と人との交流も期待できないだろうし、そこでの発想には同時代を生きる互いの人生を豊かにしようとする真摯な想いも無いのだと思う。

「観国之光」の後に「利用賓于王~もって王の賓たるに用いるによろし」と続く。

地域の独自文化を人々に観しめし(見せ)また観みることによって人的交流を図ることが、王(地域の為政者)の大切な努めであると教えているのである。

特色ある街づくり、暮らしづくり、モノづくり、文化の継承のすべてへの努力が地域の“光”につながると思う。
by stylejapan | 2012-06-19 10:36 | 地域再生
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