たまたま用事があって下町にある商店街を通り抜けたが、アーケードの無い商店街の方が活性化の道は開けると感じた。
自分が店を開くことを想定した場合、アーケードがあると何か商業施設に参加するような感覚になるが、アーケードが無ければ普通に街の中の空き物件を賃貸するのと何ら変わらない。
アーケードがあるから全体感が生まれ、それが京都の錦市場のように活気のあるところだと異なるが、閉鎖的で沈滞ムードが漂う商店街であれば候補にはならない。
製造業の方のブランディングの手始めに店をつくることを提案しているが、それは製品だけではなくて製品が並ぶ佇まいをつくることによってブランドの世界観を表現してほしいからだ。
このたび訪れたどこにでもある商店街では若い方たちがお金をかけずに店をつくり自分たちのセンスを表現している。どこの空間も今の時代感覚であり、このことが出来ない限りはブランドづくりも出来ない。
商店街の活性化には、時代感覚が培われていない人たちの発想は不要である。
そういう人たちの考える、空き店舗対策、チャレンジショップ、集客イベントが活性化につながるはずがない。それよりもアーケードがあるならば、それを撤去することだと思う。
生鮮3品は商店街に欠かせない要素だが、この肉屋さんは奇をてらっていなくて、でも今の感覚だ。女性がふたり店頭におられた。
20代の男性オーナーが2年半まえに立ち上げたいかにもコーヒーに対する想いが感じられるコーヒーショップ。手作り感の漂う店内の中央には「想い」の象徴である焙煎機があった。
7、8軒おきに若いオーナーの店があった。この状態を生み出すにはどうするかだと思う。
お客さんに一生懸命接客する姿が好印象のスコーンの店。
普通に、でも深い専門性が感じ取れる自転車店。
インテリア雑貨を販売しながら、すまいのリフォームや店舗改装も請け負う雑貨店。
オープンしたてのアパレルショップ。
アンティークなソファーや椅子を配して、お金をかけずに安らぐ空間をつくったカフェ。
独自の世界観を持った常連客が多そうなカフェ。
自然発生的に店が集まってくる、いわば商店街の創成期のような印象だが、ここに商店街活性化のヒントがあると思う。