露店で野菜を販売していた。
スーパーで見慣れたきれいに包装された商品ではなくて、カゴにトマトやキュウリが裸のままで盛られて並んでいる。100gいくらで売られている商品もある。
このような状況で買うためには、5感をフル動員することになる。
感性価値という言葉によってデザインの有用性を説く向きもあるが、きれいにパッケージングされた商品を買う場合には、人の持つ感性は封印されているとも言えないだろうか。
人々は、経験や技術が土台にあり正しいモノづくりを行っている人から、正しく作られたモノを買うことを望んでおり、いいかげんなスタンスでモノづくりを行う人から、想いのこもっていないモノを買いたいと望んでいるわけではない。想いがきちんと伝えるという意味では、装飾は買物を楽しむための最小限で良いかも知れない。
中身に対して本当に自信があるなら、ありのままを見たい、知りたいという消費者が増えているのではないのだろうか。現代の消費者に対しては、ごまかしが無く誠実にアプローチすれば、その価値を見抜く感性が共鳴し間違いなく共感が得られるのではないか。