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地域再生3
ノスタルジックな伝統回帰や観光客の誘致にエネルギーを費やすよりは誇れる街づくりに注力すべきではないだろうか。その街づくりに対する考え方の基本は、その土地での魅力的なライフスタイルの創造にあると思う。

本来、街の中心部は、少年、少女が大人社会に接する重要な役割を果たしていた。それは、働く人の様子を間近に見ることが出来て、なおかつ、あちらこちらの店で繰り広げられる人と人のやりとりに接することから、大人になるための準備が出来る場所であったはずである。現代のようにショッピングモールやロードサイドの店が子供たちの遊び場である状況は、彼らの人間的成長にとって悪影響はないのだろうか。
余談になるが、イタリア語で「店」のことをnegozio(ネゴーツィオ)という。英語のネゴシエーションに通じていて「取引・商談」の意味だとすると、効率を優先させて成立するチェーン店は、本来の「店」と異なり、人と人との関係性を希薄なものにしてきた。

観光客の誘致も、街の人々の暮らしぶりが素敵に見えて、はじめて歴史的建造物等への関心が高まるのであって、駅前商店街がシャッター街であればどういう印象を与えるのだろうか。
観光客も大切かもしれないが、もっと大切なことは地元の人たちが生活の一部として愛着を持つことが出来る街の中心部の復活だと思う。

それには、駅とその周辺を「ライフスタイルの発信地にする」というテーマを掲げて再生させることが目標になるだろう。まずは、シンボリックな1軒の店からスタートさせることでもよいと思う。
by stylejapan | 2010-07-17 10:50 | 生活創造プロジェクト
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