経済の進展によって様々な豊かさを実現したが、その一方では地域文化の荒廃や人間関係の希薄さを生んできた。とりわけ経済至上主義のひずみは地域の中心市街地の先行きを暗いものにしている。
商店街の活性化、安全な街づくりというゴールの実現を想像した時、それは地域住民が自慢する商店街であり、好きな街にほかならないだろう。そのためには地域住民が当事者意識を持って経済・社会・文化活動をおこし活性化させていくストーリーではないだろうか。
改革は、まず
問題意識の高い「個」から始まり、徐々にグループを形成し、そうしたグループの活動を地域の人々が支援、参画し、「全体」が活性化しながら統合されていく道筋が理想だ。そういう展開において行政にはインキュベーターの役割を期待したい。
地域の中心市街地である商店街の衰退は、「街の顔」の衰退であって、既存の商業者のみならずその地域に住む生活者、学生や子供にいたる街全体の問題である。その意味では、既存の商店街組織に活性化を委ねるのではなくて、商店街と地域住民、生産者等を連携させて、既存の枠組みを改めていくことが必要ではないだろうか。