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ブランドは顧客との対話の中で育まれる
「ブランド」を有名になることと安易に捉えてマスコミ報道に走ることに遭遇することがある。
あるいは、「ブランド」の構築に向けて、市場分析を行いユーザー層を特定するセグメンテーションを行い、セグメント化の結果に基づき顧客ターゲットを想定し、競合商品とのポジショニングマップを掲げて、教科書的な説明をされたりすることもある。

そこに欠けているのは「人間的な感情」の存在であるだろう。
心理的につながりたいと思わせる価値や体験の提示こそが重要ポイントであり、信頼とか安心とか、万人に通じる価値くらいでは、「ブランド」は成立しない。
また特徴として挙げられる素材や機能、あるいは効果だけで成立するものではない。

さらに広報面でも、安易な取材を受けて「万人」に訴えかける方法では、「自分の生活スタイルを望んでいる顧客」からは対象外になってしまう。
冒頭に述べた有名になる、不特定多数へのPRに力を入れるなどと、ファンとなる顧客との対話に力を入れるブランド手法とは異なる展開である。前者が誤りではなく、「ブランド」の形成には向かないというだけである。
対話によって示すことが出来るのが、情緒的、感情的価値であって、そのことが顧客の頭の中に残る「ブランド資産」である。

製品の差別化が最大のポイントでもなく、ブランドを育てあげるという信念こそが大切であり、さらに顧客との信頼関係をつくる「場」を持ち、コミュニケーションを図り続けることでしか「ブランド」は成立することはないだろう。
そして、何よりも感情に響く価値観が提示出来なければ「ブランド」への道のりは遠いと思う。
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by stylejapan | 2012-05-30 01:38 | 地場産業の活性化
商店街活性化事業
商店街活性化事業とは、地域住民の生活を支える商店街としての魅力を高める行為をいう。
そこでは商店街を公共財的な存在として捉えられているが、商店街を構成する個店は、全体的な統制に影響されず自律的にそれぞれの専門性を発揮しながら利益を追求する独立した経営体である。
このような「個店の集まり」と、地域住民の生活および地域文化を支える公共財的性格があるとみなされる「商店街」の2層構造が商店街問題の理解を難しいものにしている。


これまで個人商店を支えてきた「専門性」と「商店家族と顧客との人的なつながり」は、規模の経済を背景とする量販店のセルフ販売やチェーン店舗の台頭によって急速に衰退し、自己雇用が多い商店家族の崩壊につながり、シャッター通り化を招くことになる。
同時に、そのような昔からの商店家族が減少しチェーン店が増え始めると商店街のまとまりがとれなくなり、古参の商店主達の総論賛成・各論反対の無為な会議が常態化し、商店街の組織的運営を形骸化させている。

従来の商店街活性化事業が共同販促や集客イベント等の商店街全体に向けたものであって、そのことが問題の解決に繋がっていないことを反省しなければ、地域商業のさらなる衰退とともに将来に「買物難民」というつけをまわすことになりかねない。

商店街における魅力の要因は個店が「主」で、商店街全体の印象を「従」とする考え方をもとに、「特色のある個店による多様な商店街づくり」という課題に向けての手法を研究し、確立することが重要であり、求められるのは、個店が本来的にもっている長所をさらに伸ばすことによって、商店街全体を時代感覚、地域環境にダイナミックに適合していこうとする視点である。さらに実質的な活性化につながるのは若い人たちの参入である。新規に若者が加わってくる流れをどのようにつくっていくかに真剣に取り組まなければ街の衰退にもつながることは予測できる。だからといってチャレンジショップではないことを付け加えたい。
なぜなら時代感覚を伴っていない人の発想やセンスを個性を発揮したい人は必要としないからだ。
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by stylejapan | 2012-05-26 10:44 | 商店街の活性化
商店街再生の萌芽
たまたま用事があって下町にある商店街を通り抜けたが、アーケードの無い商店街の方が活性化の道は開けると感じた。
自分が店を開くことを想定した場合、アーケードがあると何か商業施設に参加するような感覚になるが、アーケードが無ければ普通に街の中の空き物件を賃貸するのと何ら変わらない。
アーケードがあるから全体感が生まれ、それが京都の錦市場のように活気のあるところだと異なるが、閉鎖的で沈滞ムードが漂う商店街であれば候補にはならない。

製造業の方のブランディングの手始めに店をつくることを提案しているが、それは製品だけではなくて製品が並ぶ佇まいをつくることによってブランドの世界観を表現してほしいからだ。
このたび訪れたどこにでもある商店街では若い方たちがお金をかけずに店をつくり自分たちのセンスを表現している。どこの空間も今の時代感覚であり、このことが出来ない限りはブランドづくりも出来ない。

商店街の活性化には、時代感覚が培われていない人たちの発想は不要である。
そういう人たちの考える、空き店舗対策、チャレンジショップ、集客イベントが活性化につながるはずがない。それよりもアーケードがあるならば、それを撤去することだと思う。

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生鮮3品は商店街に欠かせない要素だが、この肉屋さんは奇をてらっていなくて、でも今の感覚だ。女性がふたり店頭におられた。


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20代の男性オーナーが2年半まえに立ち上げたいかにもコーヒーに対する想いが感じられるコーヒーショップ。手作り感の漂う店内の中央には「想い」の象徴である焙煎機があった。


7、8軒おきに若いオーナーの店があった。この状態を生み出すにはどうするかだと思う。

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お客さんに一生懸命接客する姿が好印象のスコーンの店。


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普通に、でも深い専門性が感じ取れる自転車店。


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インテリア雑貨を販売しながら、すまいのリフォームや店舗改装も請け負う雑貨店。


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オープンしたてのアパレルショップ。


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アンティークなソファーや椅子を配して、お金をかけずに安らぐ空間をつくったカフェ。


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独自の世界観を持った常連客が多そうなカフェ。


自然発生的に店が集まってくる、いわば商店街の創成期のような印象だが、ここに商店街活性化のヒントがあると思う。
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by stylejapan | 2012-05-26 10:28 | 商店街の活性化
商店街活性化
商店の経営者は「一国一城の主」であるから一筋縄では行かないと捉える人がいたりするが、それは大きな誤解である。
組織人よりも柔軟性があるのが、商人の真髄であるはずだ。
そもそも、商店は、全体的な統制に影響されず自律的にそれぞれの専門性を発揮しながら利益を追求する独立した経営体である。
にもかかわらず、商店街組織としての共同販促や商店街としての統一的活動だけの視点から消費者に訴求すればするほど個店の存在は希薄になり、商店としての魅力が失われていくことになる。
活性化の対象は、それぞれの商店の有り様でしかない。
そのことが「主」であり、共同販促のような統合型活動は「従」である。
このように商店街は、「商店街組織」と、統制を嫌う「個店」からなる二重構造であることを理解することが活性化策を考える上で重要である。
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by stylejapan | 2012-05-24 11:40 | 商店街の活性化
都会と地方
私的欲望だけのための競争は他を圧殺する歪んだ社会や人間をつくり出すと思う。
他方で切磋琢磨のない社会は空気を澱ませて、新たな動きを嫌う。そのことで自由かつ弾力的に、それぞれの持つ個性を発揮させ、それを発展させ、精神的にも物質的にも豊かな社会の実現を後退させると思う。

都会では厳しい競争が繰り広げられているとしたら、価格や規模の競争を除くと、新たな文化を、新たなファッションを、新たなライフスタイルを、古いものに新しい見かたを等々クリエイティビティの競争だろう。
そこには、今を変えようとする人間本来が持つ豊かな生命力が感じ取れる。そのことが都会においてのエネルギーの源だろう。

地方にも良い意味での切磋琢磨が生まれないと、活性化の波は立たないと思う。
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by stylejapan | 2012-05-15 08:52 | 生活創造プロジェクト
ブランドとは
ブランドとは、製品やサービスを、他の同カテゴリーの製品やサービスと区別するためのあらゆる概念。

1)ブランドづくりの社会的背景
時代の変化に対応して企業が持続的な成長を成し遂げることは至難の業

2)ブランドの意義
ブランド構築による顧客の囲い込み

3)ブランドの定義
①製品やサービスに顧客の認識や感情が付加された無形の財 
②個々の商品に付されるものだけではなく、ひとつの商品コンセプトのもとに展開される商品シリーズや事業そのもの、さらには、企業体に付されたものも含む

4)長期的な取組みが重要
個々の企業の取組みに様々な情報が付加されて、消費者・顧客の評価として定着していき、ブランドとして定着するには長期的なスタンスで臨む必要がある

5)感情的価値の意義
買い手側の購買行動が品質や価格等の“非感情的”な要素により経済合理性に即して行われるBtoBビジネスにおいては、顧客の心理状態はそれほど重要ではないが、ブランドの最終目的である顧客獲得には感情的価値の付加が重要

6)市場とのコミュニケーションを図りながらの製品開発
成熟した市場では、「つくったものをどう売るか」の発想ではなく、「市場が必要とするものをつくる」という発想が求められ、絶えず市場とコミュニケーションすることが求められる

7)製品・商品とブランドの関係
①製品=工場からのアウトプット
②商品=市場での取引対象
③ブランド=消費者の頭の中に蓄積された資産

8)広報の役割
誰に向けたブランドなのかをしっかりと意識した展開が必要である

9)企業のメリット
①ロングセラー化
②優位な取引条件の確保
③マスメディアに依存しない口コミを誘発
④軸がぶれない

10)戦略的思考の重要性
①短期的な成果を求めるのではなく長期継続的に行える取り組みを中心に戦略を構築するべきである
②ブランドといえば、製品戦略の問題、あるいは、販売戦略の問題として捉えられることがあるが、真のブランド構築を意図するのであれば、トータルに取り組む必要がある

**参考:「京都ブランドに関するブランドマーケティング調査・研究事業」報告書
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by stylejapan | 2012-05-10 22:39 | ブランド構築コンサルティング
地方自治体が主導するブランドづくり
ブランドとは、モノづくりやサービスのマーケティング分野において使用されている概念で多くの定義が存在するが、地方自治体が掲げるブランドへの取組みの多くは、これとは異なっていると思う。

これまでの街おこしイベントや特産品のPR活動を「ブランドづくり」と言い換えたものが多く、本来のブランドの概念とは異なる理解の上で進められているケースが多い。

ブランドづくりの意義は、消費者に付加価値の提供を約束することで他との差別化を図りながら、市場における長期的な競争優位性を確立することにある。
それにもかかわらず、博報堂がまとめた各自治体が掲げるブランドづくりの骨子には「ひと」「歴史」「文化」「自然」「緑」「水」「ほんまもん」「伝統」などの同じ言葉が多用されている。

ブランドづくりの目的は、競合相手との差異を与えることにより、消費者がブランドの取組みに対して新しい価値を感じてファンになり、また伝道師になり、その結果、競争優位性が確立されるものであるはずが、これでは本来のブランド構築の目的が達成できるはずがない。

ロゴマークやユルキャラが制作され、ハッピやTシャツ、幟を作ってのイベント開催などのプロモーション作業に終始しており、それらが消費者にどのような価値を約束しているのか、またそれが競争優位性につながっているかといったような視点は抜け落ち、本来のブランドづくりとはかい離したまま、シンボル作成やイベント開催などを実行することが最終目的のように捉えられている場合が多い。

ブランドとはそもそも受け手側からの評価である。それを獲得するために共感される「想い」を軸に独自の世界観を打ち出し、評価の舞台に上ることがそのプロセスである。

目立つための作業に終始したり、ファンの獲得が意識されないまま、地域側からの一方通行、悪く言えば自己満足的なものではいつまでも未来への明かりが見えては来ない。未来を担う子供たちのためにも大人たちがしっかりしないといけないと思う。
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by stylejapan | 2012-05-09 11:43 | 地場産業の活性化
ファンづくりとブランディング
ブランドを構築する最終目標はファン作りである。
顧客が企業姿勢に共感し、心理的なつながりを感じて、支持してくれるようになると、顧客自身がブランドの購入者であり続けるだけでなく、伝道士ともなってくれる。

このようなブランディングの進め方には一定の法則がある。
企業の社会的スタンス(想い)への認知的要素(共感)が基盤にあり、感情的価値要素(センスやフィロソフィーへの共感)と品質的価値要素(信頼、誇り)を整えることが条件となる。

次にブランド認知の段階には、ブランド・アイデンティティとの整合性を踏まえて製品を取り巻く全体的センス(世界観)を構築して、目指すファンが好む「場所」での展開行動をとることにより、競合品との絶対的差別化を図ることができる。このことがブランディングを行う最大の利点である。

課題は、ブランディングの形成においてもその維持ににおいても重要な基盤要素(共感される想い、センス、品質)、展開要素(ブランド・アイデンティティとの整合性、目指す顧客との「場・情報」の共有)の2層構造であることへの理解である。
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by stylejapan | 2012-05-07 09:18
地域の活性化
化学反応は普通のエネルギーの壁を越えた大きなエネルギーが無ければ反応は進行しない。
例えば炭素と酸素を常温・常圧で混ぜても、それだけでは二酸化炭素などにならない。

それと同様に、地域の活性化においても、その方法を懸命に研究し、人生をかけた大きな努力がないことには実現しないと思う。
自分たちが努力することなしに、他者に依頼する態度ではかなわないのは当然ではないだろうか。

景勝地にあるホテルに泊まったが、その周囲の自然環境はフランスのオテル デュ パレにも匹敵するくらいだが、その環境を活かせず、ホテル自体に感性を磨いた努力の跡が見られない。

持続可能な街づくりを掲げながらも、ドイツ南西、中世の町並みを残したフライブルク市ヴォーバン地区での市民と行政が行ってきたほどの大きなエネルギーを感じる都市や街は見られない。

大型スーパーを誘致することぐらいしかアイデアが浮かばない人たち。
ゆるキャラを作ることで何かをやったと考える人たち。
ロードサイドに立ち並ぶ大型店や大きな看板がどれくらい地域の個性を消し去っているか。

本気度が無ければ、過剰な努力が無ければ、活性化への道は遠い。心の中にまで“少子高齢化”の状況が蔓延しているのではないだろうか。
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by stylejapan | 2012-05-05 07:40 | 生活創造プロジェクト
大型店誘致
まちづくりの起爆剤として郊外型大規模ショッピングセンターを誘致する事例がある。固定資産税収入、地元雇用機会の確保などが誘致理由に挙げられる。しかし、都市間競争に動機付けられた大型店誘致は、しばしば「合成の誤謬」につながる。隣の都市政府が負けずとより大きな大型店を誘致し、都市政府の間で誘致の連鎖が起きれば、いずれかの都市の大型店がひとり勝ちして他の大型店は閉店に追い込まれるか、いずれの大型店も採算ベースを確保できないかの違いはあっても、そしてはっきりしていることはどの都市の中心市街地も激しく空洞化することを考え合わせると、当該諸都市のある都市圏全体の福利厚生がかえってマイナスになることは十分に考えられることである。

地方都市政府は深刻な財政難である。高度経済成長の時代とは違って、もはやフルセット型のまちづくりを進めることはできない。「隣の町に美術館があるのでうちの町にも美術館を建てる」という横並びの公共投資を継続できる環境にはない。また、前述のように隣同士の都市が大型店の誘致競争を繰り広げても、その結末は都市圏全体の商業構造の脆弱化につながる可能性が大きく、都市圏全体の福利厚生を増大させることにはつながらない。(大阪市立大学教授 矢作弘~人口減少時代の「地方都市の「かたち」」を考える)
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by stylejapan | 2012-05-01 09:58 | 商店街の活性化