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カテゴリ:村と林業( 3 )
村の活性化 その2
村の過疎化(人口流出)・高齢化・少子化は、全て1960年代に同時進行的に発現した。出生数の低下と若壮年層の都市流失は、高齢者の占める比率の急激な上昇につながった。
実数としての高齢者数は、都市部の方が圧倒的に多いし、課題も多い。生活に関しても、個人の受けとめ方は様々であるので一概には言えないが、都会の方が豊かに生活しているとは断言できないはずだ。

社会の根幹である家族世帯は、多世代同居から、都市化・産業化に伴い核家族化が拡がり、さらに、その核家族も解体させられた『極小世帯』へと進行している。すなわち、社会の基幹部分の解体が極度に進んでいる。
このことは少子化、核家族化以上に社会構造に大きな変化をもたらしている。

着実に進む人口減少、高齢化状況の中で農山村の内発的対応の限界性から、グリーンツーリズム等の都市住民の懐をあてにした観光誘致等に熱心であるが、そのことが村の将来を託す担い手の育成につながるわけがない。そろそろ、そのことを冷静に見直すべき時期に来ているのではないだろうか。

村には他所からの流入は受け入れがたい風土がある。
都会よりも豊かな生活が送れる可能性、極小世帯では難しい集落の存続、農林業だけでは活性化は実現できない現実、それらのことも考慮して何をするかが課題だろう。それらを踏まえた対策により息子夫婦がU ターンしてくることが最も集落の維持と機能の変化に結びつくと思う。

村から出た人間が戻って来たくなる環境づくり、さらに他所者を受け入れられるようになる風土の改善、それらのことを踏まえた住民の意識の変更、そして村から出た人々のユーターンの動向に村の将来がかかっていると思う。
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by stylejapan | 2012-11-29 10:29 | 村と林業
村の活性化
1990年代以降の効率化路線のつまずきは、バブル崩壊にともなう経済の停滞と相まって、将来に向けた不安感と閉塞感を蔓延させ、日本という国が、何を機軸として発展していく国なのか、世界にどのような貢献をしていく国なのかといった、国家としてのアイデンティティを喪失させていった。
そのような背景をもとに村の活性化のあり方を考えてみるのも悪くない。

過疎化が進んだ村には日本の原風景が残っていると言う人がいるが、何が残っているかよりもナショナルチェーンの店が視野に入ってこないことが価値ある風景かもしれない。
コンビニも無い村なら最高の条件が整っているという見方はどうだろうか?

このような村が、効率化と袂を分けたライフスタイルを掲げても違和感がない。
日本人固有の感性、美意識をもとにして、これからの生き方を示すことで内需の拡大を進めていくことの方が、村のためだけでなく国家のアイデンティティを取り戻すきっかけになるかもしれない。

「簡素が豪華に引け目を感じることなく、その簡素な力に秘めた知性なり感性なりが、むしろ誇りに思える、そういう価値体系をもっと世界に発信できれば、もっと少ない資源で美意識や豊かさを謳歌できる」(田中一光)
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by stylejapan | 2012-03-17 15:26 | 村と林業
村長からのメッセージ
経済大国にはなったけれど振り返ってみたら、先人たちが守ってきた日本の“魂”や“こころ”そんな大切なものを忘れてしまったんじゃないでしょうか。いま、あらためて考えてみると、村内を通るふたつの古道が何百年もの時を経て残ったのには、深い意味があると思えてくるんです。これらの道は自然と共に生き、道を育んだ祖先の生き様があったからこそ残った道です。身も心も疲れてしまった現代の人たちに、「もう一度、ここにゆっくり来なさい。そして歩いてごらん」と、先人からのメッセージが届いて、「歩く」というメッセージが届いて、「歩く」というプロセスの中で、山が、そして道が大切な何かを伝えてくれている。そのことに気づかせるために、世界遺産に登録された。私たちはそう意識づけをして、大切に受け継がれてきた古道を守り育てるのが、十津川村の大きな役割だと考えています。

私も村に訪れたいろんな人と一緒に歩きます。あるとき、玉置山へのウォーキングツアーに参加した女性が、歩くうちにぱたりとおしゃべりをしなくなったんです。きっと疲れたんだなと思って、後でたずねると「初めてなんです。自分自身と向き合う時間を持ったのは・・・すごくいい経験をしました。」と感動しておられた。理屈や言葉を超えるものがそこにはあったのでしょう。

「日本の郷100選」にも選ばれた果無集落では、お婆ちゃんに会いたいと訪ねて来る人も沢山おられます。あの笑顔にホッとするんでしょうか。この村は空気が澄んでいるから星もきれいに見えるんです。都会の子ども達が熱心に星空に見入っている。その姿を見て、村のお年寄りが「こげなことが、ええんかよ。ふうん、きれいなもんなんやなぁ。」と感心したりする。村ではあたりまえに思っていた自然や営みに触れるふれることで、皆さんに喜んでもらえると、また自分たちの村に自身が持てるようになるんです。

十津川村の良さを木材に込めて広めているのが「十津川郷土(さと)の家ネットワーク」です。村の森林から搬出した木材を村内で製材、乾燥、仕上げ加工の処理を行い、付加価値の高い住宅建材の供給を図り「十津川産材」のブランド化を進めたいと考えています。平成21年3月に十津川村森林づくり基本条例を制定しましたが、原点に戻って林業を振興させることは村の経済基盤を安定させるためには欠かせません。

何よりも伝えたいのは“こころ”です。 私は子どもの頃、薪で炊いた五右衛門風呂に入っていましたけれど、お湯がやわらかくてね、冷めないし、本当に心地いい。そんな木の安心感も一緒に伝えたい。ネットワークでは実際に森に入って、精気を肌で感じてもらったりもしています。山を守ることは、村の林業や地球環境を守ることだけじゃなくて心を守ることにも繋がっていくんじゃないでしょうか。

皆さんも十津川に来て、自分の足で歩いて、ぜひ感じてください。ほんものの自然、源泉かけ流しのほんものの湯、ほんものの食事ともてなしの心でお待ちしています。これが心身再生の郷、十津川郷なのです。

                             十津川村長 更谷 慈禧
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by stylejapan | 2010-11-22 19:52 | 村と林業