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商業文化のこれから
世界最古の百貨店といわれるフランスのボン・マルシェが今につながる百貨店のシステムを確立したのは1852年。ボン・マルシェがオープンした1年前、そして、最初のパリ万博開催の4年前の1851年に、世界最初の万国博覧会であるロンドン万博が開かれている。今から160年くらい前である。
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イギリスで起こった最初の産業革命は、1760年代から1830年代までという比較的長い期間に渡って漸進的に進行したとされている。それによって効率よく生産したものを、より効率的に売らなくてはいけなくなった時代背景が生まれ、そこから様々な製品を集めて、見せて、欲望を喚起するという実験が博覧会であり、さらに百貨店ビジネスへと結びついて行くことになる。

そして、集めて、並べて、見せることで欲望を刺激して買ってもらえるようにするという空間づくりは、ネットショッピングも伴ないながら、今なお視覚的な表現や技術に様々な工夫を加えながらも続いている。
しかし、百貨店システムの低迷、総合スーパーの店舗数縮小の動きに見られるように、完成された商品をそのまま買ってもらうという価値提供の形が徐々に機能しなくなってきている。

ボン・マルシェから半世紀後の1904年(明治37年)に日本で初めて「デパートメントストア宣言」をした三越が、時を経て日本橋三越本店として、ファッションデパートの道以外のビジネスモデルを持った百貨店を目指し行った「カルチャーリゾート百貨店宣言」は、単にモノを集めて並べて見せているだけではなく、その空間において、様々な人との出会いがあったり、その出会いから何か新しい物事が生まれてくるような「体験価値」「共創価値」を目指したものである。
この起点とも呼べる「はじまりのカフェ」は、「どこに行けば買えるのか分からないモノ・コト」を提案していく体験型複合ショップ。
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このようにして、製品としてのモノだけを売る時代から、共創のなかで社会に新しいコトを生みだすパートナーとしてあることが重視される時代へと、価値提供のあり方を模索する流れが広まりつつある。

そんな観点から、製品を見せる場とは異なる、感情価値や共創価値の提供を通じて、新たなものがそこから生まれてくる空間のあり方というものが、いま様々な場所で行われている実験である。


製品の完成に至るプロセス、製品の背景にある人生観、仕事への想い、社会的課題の解決に向けて共創しようとする姿勢など、人や社会が共感、共鳴する「感情価値」「感性価値」を中心に据えた空間が支持される時代になりつつある。





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by stylejapan | 2016-01-17 08:36 | 生活創造プロジェクト
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