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自己実現欲求の充足
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自己実現欲求とは、「マズローの欲求5段階説」の最上位にある欲求である。

マズローの基本的欲求は、低次から高次の順に、
(1)食欲や睡眠など「生理的」欲求、
(2)身の安全を守りたいなど「安全と保障」の欲求、
(3)家族や他者と親しくなりたいなど「愛・集団帰属」の欲求、
(4)他者から尊敬や承認を受けたいという「自尊心・他者による尊厳」の欲求、
そして、ここまでの欲求がある程度満たされた後の、
(5)自分に最も適する達成すべき活動を見つめ自己の可能性を実現したいとする「自己実現」の欲求という5段階からなっている。

コトラーは、これからの企業は、個々人の「人間としてなりたいものを追求する」「自分が何者かをはっきりと示せるようになりたい」という「自己実現欲求」にフォーカスしていくべきであるとインタビューで答えている。

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製品の機能的価値を提案する製品中心のマーケティングが「マーケティング1.0」、機能的価値に加えて感情的価値を提案する消費者志向のマーケティングが「マーケティング2.0」、そして製品の機能的価値、感情的価値に加えて、企業としてのビジョンなど精神的価値を提案し、世界をより良い場所にすることを目的としたマーケティングが「マーケティング3.0」である。

マーケティング1.0:「製品中心のマーケティング」
産業革命期の生産技術の進歩によって生み出された。
産業革命時代、すなわちコアテクノロジーが工業用機械だった時代のマーケティングとは、工場から大量に生み出される製品を市場に売り込むことであった。
マス市場向けに単一製品を大量生産することによって、生産コストをできる限り低くし、価格を下げることで、市場の拡大と市場シェアの獲得を図っていた。

マーケティング2.0:「消費者志向のマーケティング」
情報技術とインターネットがコアテクノロジーになった時代に登場した。
消費者は十分な情報と知識を利用して、類似の製品を簡単に比較することができるようになり、自分の好みに合わせて製品やサービスを選択することができるようになった。
消費者の嗜好は一人一人違うため、製品やサービスも個人に合わせた価値を求められるようになった。
マーケティングの役割は、市場をセグメント化し、特定のターゲットに向けて他社より優れた製品を提供することにあった。
しかし、このような消費者中心のアプローチは、消費者がマーケティング活動において、受動的であるという見方を暗黙のうちに前提にしてしまう。
機能面での満足を充足できても、精神面での満足を充足させることは難しい。

マーケティング3.0:「価値主導のマーケティング」
ニューウェーブの技術によって形成された消費者の集合知と企業が協働するようになり、商品やブランドは企業が一方的に作り上げるものではなくなっている状態。
もはや、消費者は企業によってコントロールされる受動的な存在ではないのである。
消費者は自発的に世界をよりよい場所にしようと活動し、自分たちの問題を解決しようとする。製品やサービスも、このようなマインド・ハート・精神を基準にして選ばれるようになる。
そのため、マーケティング3.0においては、信頼関係や感情的な結びつきといった関係を構築することは望ましい。
マーケティングの役割として求められているのは、消費者をコントロールすることではなく、むしろ消費者との協働によって消費を含めたあらゆる人間活動の高みを目指し、世界をよりよい場所にして行くという姿勢・心意気なのである。

マーケティング4.0は、2014年にフィリップ・コトラー教授がマーケティング3.0の次なる段階として新たに提唱した「自己実現欲求(Self-Actualization)の充足」を目指すマーケティングである。


夢なき者に理想なし、

理想なき者に計画なし、

計画なき者に実行なし、

実行なき者に成功なし、

故に、夢なき者に成功なし。(吉田松陰)











by stylejapan | 2015-11-14 17:01 | 生活創造プロジェクト
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