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時代との連動
今の騒動はデザインの本質が社会に理解されないまま、“デザイン”という言葉が都合よく利用された結果の状況だと思う。

デザインは、社会や企業が抱える課題の解決に向けた“行い”であって、芸術とは異なる。商業デザインであれば、クライアントの意向に沿った問題解決に向けたものであり、芸術は芸術家自身の問いに対しての表現である。

20世紀最大の芸術家のひとりとして挙げられ、数多くの傑作を描いたアンディ・ウォーホル。彼の多大な作品群の中でも、キャンベル・スープ缶のシリーズは有名な作品であるが、では、なぜウォーホルが、モチーフにキャンベルのスープ缶を選んだかはじつにシンプル。「僕は自分が美しいと思うものを、いつも描いているだけ。僕はスープを描いているが、それは僕がスープを好きだから。」

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とりわけデザインは時代との連動が不可欠であり、そのことを軸にして理解を深める必要があると思う。
要するに時代と連動したものかどうかが評価のポイントになる。

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このような騒動でデザイナーを委縮させることになれば、社会にとって大きなマイナスでしかない。
デザイン発想を有効に発揮しなければ、豊かな社会空間の実現は後退することになるだろう。

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わが国を代表するグラフィックデザイナー田中一光は、俵屋宗達が描いた「平家納経」の表紙をそのまま真似た鹿をモチーフにしたポスター「JAPAN」を制作した。琳派を評価し、そしてグラフィックデザインの世界で琳派を体現したものである。彼は日本美は琳派であると述べ、「琳派はその美を誇示しないところがいい。どこまでも典雅に、そのやさしい懐の中に滑り込みたくなるようなぬくもりを感じる。かたちは丸くふくよかで、つねに弧を描くような円形のふくらみをもち、その造形は少しも痩せることはない」と述べている。



地方においてデザインを考える場合、デザインに関する意思決定者は“今の時代”についてより努力して考察しなければならない。権威主義的なもの、思想的背景も無い奇抜なだけもの、そして大衆に迎合しようとするもの、そのどれもが情報社会、知識社会の現代とは相容れないものだと思う。

時代を読み解き、時代と連動させながら問題の解決に向けての“行い”こそがデザインの本質だと思う。







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by stylejapan | 2015-09-11 13:24 | 生活創造プロジェクト
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