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人間的な営みとは
経済的合理性や効率性によって、大きな利便性を得ているのは確かであるが、そのことが個としての存在感を不安定なものにしているといえるだろう。

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合理性が成功するための成立条件は、本来は不合理、非論理的である人間性の排除や抑圧であった。合理性は、日常的な問題解決行動を完璧な形でおこなうために使われる一方で、非人間的な解決行動を生むことにつながったりするからだ。

特に組織の中での合理的判断は、いま自分が取組んでいる仕事が最終的にどのような結果をもたらすのか分からなかったり、そこまで考えることの停止(思考の停止)につながったりする。

どんな仕事であっても、仕事は社会に対して何らかの貢献をすることで大切なものとされるが、組織内での成果の達成だけに意識が向き過ぎると、本来もたらされるべき社会への貢献が後回しにされたり、視野が内向きになり、自分の仕事への技術的責任に置き換えられたりする。

このようにして合理性がもたらした不確実性の中で、個人を取り巻く環境が不安につながる一方で、コミュニティの大切さがいわれるようになるが、ここで考えないといけないことは、近代は閉鎖性や排外主義、個人への抑圧からの解放の歴史であったことだ。

ゴールは自由な文化の形成だと思う。そして文化は経済基盤の上にのみ成立する。そのために、しっかりとした経済基盤を構築し、そのプロセスにおいては障害となるような「一体意識」を後退させ、「個」を引き上げるような新たな仕組みの中で経済を創出していくことが必要だと思う。

合理性がもたらした不確実性の中でこそ、自発性に判断し行動するのが「人間としての行い」であり、自分自身が確信している真のプライドによる後悔しない振る舞いに、“幸福”なるものが実感できるのではないだろうか。








by stylejapan | 2015-07-29 06:35 | 生活創造プロジェクト
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