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脱物質主義化
現代の資本主義はすでに従来のような拡張性、成長性を失っている。

人々は消費様式を絶え間なく更新させ、次々に新しい消費財を手に入れることを求めるといった見方で成長させることができる状態にあるとは思えない。

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1.消費行為が日常生活の主要関心事となり、 人々は生産ではなく消費を通じて、生活の充実を感じるようになる。
2.消費行為は、優越性の誇示や確認という意味をもつ。
3.消費行為は他者と自己を区別する、すなわち差異化をはかるための手段となる。
4.人々は消費様式を絶え間なく更新させ、次々に新しい消費財を手に入れることを求める。

人々は脱物質主義化しており、2、3 のような意味で消費に対して十分熱心であるとは言えない。生活に追われる人々は、さらに 1 の条件すら満たしていないかもしれない。
他方、消費者は別の意味で、現在もなお消費生活の高度化を目指しているようであり、食事や衣服、娯楽や文化的消費に対する消費者の欲求水準はますます高まっているようである。しかし、それらが目指していることは、上記 1~4 のいずれとも言いがたいものである。

最初に『消費文化』と題する書物を執筆した Celia Lury は、「消費文化は物質文化の特殊形態であり、欧米社会に 20 世紀後半に現われた」ものであると述べている。
「第一の消費文化」とは、次の二つの原則に基づいた消費を中心とする文化である。
1.何らかの機能的価値をもつ新しい消費財を通じて、生活を便利で快適なものにしようとする。
2.消費において量的な多さ、豊富さを肯定的に評価し、それを追求しようとする。

第二の消費文化とは、次の二つの原則に基づいた消費を中心とする文化である。
1.他者や社会集団との関係に配慮しつつ、消費行為に、優位性を示す、差異をもたらす、目立つ、帰属意識を表明するなどの意味をもたせようとする。
2.機能的価値が疑わしく、非合理的で常識的秩序に反するようなものであっても、むしろそうであること自体に意味を見出して消費しようとする。

第三の消費文化とは、次の二つの原則に基づいた消費を中心とする文化である。
1.消費財やサービスの「機能的価値」ではなく、「精神的価値」を持続的に追求し、その観点から消費の質的充実を目指す。
2.意識的であるか無意識的であるかを問わず、自然および社会に対する負の影響を回避し、その安定に資するような消費行為を行なう。
このうち 1 は、第一の消費文化が機能的価値を追求し、第二の消費文化が社会的価値を追求するのと好対照をなしている。精神的価値とはもっぱら内面的、心理的な意味をもち、外面的な成果や機能は発生しないような消費の価値を示すものである。

第一の消費文化と第二の消費文化も、なお姿を変えつつ拡大傾向にある。しかしその間、第三の消費文化は、おそらくそれ以上に大きく成長している。今や、第一の消費文化、第二の消費文化を中心とする消費財であっても、第三の消費文化の要素を取り入れようとすることが多く、それなしには、成熟した消費者の関心を集め、満足させることができないと言っても過言ではない。







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by stylejapan | 2015-05-28 07:50 | 生活創造プロジェクト
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