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利己主義と自己実現
心理学においては利己主義は、心理的利己主義 と 倫理的利己主義 の二種類に分類されている。いずれも、心理的利他主義(=自己の利益よりも、他者の利益を優先する考え方)と対比されている。

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心理的利己主義は、「人間の行為は自分自身の利害(self-interest)に現に常に動機付けられている」とする見解。
「人間の心理は快楽主義(幸福主義)であろう」との想定である。
経済学の理論などで想定される(架空の)「自己の利益(self-interset)のみに常に関心を持つ "合理的" 経済人」は、この心理的利己主義者に当たる。

倫理的利己主義は、「人の行為は自分自身の利害に動機付けられるべきである」とする倫理学上の立場である。
"行為の善悪や正否のよりどころは「自分自身の最大幸福」であり(原則上は)他人に被害があってもかまわない" と考えるので、功利主義(=社会全体の幸福を重視するという考え方)と鋭く対立する。

ただし実際には、社会に利益をもたらせば、めぐりめぐって自分の利益として戻ってくることが多く、また自身の利己的な行動が周囲の行動へと伝染し、他者の利己的な行動を誘発し、めぐりめぐって自己の不利益ともなるので、利己主義者であっても、このことを理解し長期的な合理性を考慮し行動をする者に限定すれば、結果は(ある程度)利他的になるとも考えられている。


心理学者マズローは、自分自身の内側の問題よりは、自分の外の世界の問題に関心が向かない心理は、成長の過程において基本的欲求 (生理的欲求、安全欲求、所属欲求、承認欲求) が満たされなかったり、歪められたりして生じるものであり、そのことは成長と共に改善できるために人間の避けがたい運命ではないと考えた。

彼の主張するところは「もし人間が基本的欲求に満たされながら成長するならば、心理的にますます健康になり、成長の高次の段階― 『自己実現』 の段階にいたる」というものである。そして、「自己実現」 欲求にまで行き着くと利己性と利他性は矛盾を生まず統合され得るという。   

基本的欲求がある程度満たされた後に自己実現の欲求を抱くようになる人間の特徴を以下のように挙げている。
 1.現実をより有効に知覚し、それと快適な関係を保っている。
 2.自己や他者を自然のままに受容する態度である。
 3.自発的な行動をとることが多い。
 4.自分自身の内側の問題よりは、自分の外の世界の問題にエネルギーを振り向けている。
 5.自分の周りの環境や文化に流されることなく超越・自律しており、自分の世界を大切にし、孤独やプライバシーを好む。
 6.物事を無邪気に、何度も畏敬や驚きをもって受け止めることが出来る。
 7.感情を激しく揺さぶられるような体験をしたことがある人が多い。
 8.自分は社会の一員であるという意識を有している。
 9.対人関係では少数の人々と深い結びつきをもっている。
10.権威主義的性格とは対極にある、民主的な性格をもっており、謙遜を知っている人が多い。











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by stylejapan | 2015-05-14 01:36 | 生活創造プロジェクト
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