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商業政策~商業と産業、そして暮らしの一体化
イタリアの中心商店街では、専門性を高めたブティックの都市中心部への計画的配置が注目される。特にフィレンツェでは、歴史観光ゾーン、宿泊施設ゾーン、ショッピング・ゾーンが計画的、戦略的に配置されている。これら三ゾーンがいずれも歩行回遊空間としてアクセスできる距離にレイアウトされている。
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したがって、高級専門店でのイタリアブランド品の買い物地点と中心市街地 内のホテルでの宿泊地点が有機的に結合している。これは地域および国内産業製品の販売拠点の確保だけではなく、自治体の安定した税収確保を実現することによって、財政的に持続可能なまちづくりを可能とする点で注目される。
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それとは逆に日本では、規制の緩和や撤廃によって、市場競争原理のもとで商業施設の配置が進行してきた。その結果中心市街地の空洞化が進み、少子高齢化社会の到来に向けて都市機能を都心部に集中させるコンパクトシティの実現を目指す方向とは逆行した現象がみられる。
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それとは反対に、厳格な都市計画的規制、商業的規制によって歴史的遺産を活用しながら商業施設の計画的配置を目指してきたイタリアでは都心商業が隆盛を維持している。
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このことは市民の住宅に対する選好が日本人とは異なることとも 関係がある。すなわち、歴史的建造物のファサードや構造壁は変更せずに、内部を現代風に改造して都心地域に居住することを選択する市民が多いことと、都市計画や商業政策の方向性が一致していることに起因している。
これらイタリアの取り組みは 、 歴史や文化に基軸をおいたきわめて長期の視点からのまちづくりのあり方について、我々が考えるうえできわめて示唆に富んだ内容を含んでいるといえよう。
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日本のまちづくりにおいては、中心市街地の空洞化の進行に歯止めをかける有効な対策が不足している。中心市街地はまちの個性や魅力を泱定する力を発揮しうる地域である点で重要な意味を持つ。 また、まちは職住近接の場であるばかりでなく地域産品を扱う販売経路を形成する場でもある。
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イタリアにみられるように中心市街地の古いまちなみを住居、ものづくり、販売、購買などの場として活用することで 、付加価値の高い製品を生み出す地域産業とまちづくりとを有機的に一体化させることが地域の魅力を高め る。また、そのことは観光地としての魅力や地域雇用を創出している。(森文雄)
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by stylejapan | 2014-10-06 04:50 | 商店街の活性化
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