人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ
見ぬふりして見る社会空間
見ぬふりして見る社会空間_e0025086_15304199.jpg

人口の激しい流動化によって、個人の孤立化が顕著になり、都市部への人口移動が止まらない。総務省の調査では、三大都市圏の人口が総人口に占める割合をみると、三大都市圏が総人口に占める割合は、従前から一貫して増加傾向にある。特に、その多くが東京圏のシェア上昇分である
一方で、過疎化が進む地域をみると、同地域全体の平均の人口は2005年の約289万人から2050年には約114万人に減少すると推計され、減少率は約61.0%と見込まれる。これは、全国平均の人口減少率(約25.5%)を大幅に上回る。そのことで、三大都市圏への人口集中と過疎化の進展が並行して進むと見られている。

先日、渋谷のバスターミナルでスーツ姿の高齢の方が路上に倒れていた。傍にはバス会社の制服を着た男性2名が立っていて、おそらく救急車の到着を待っていたのだろうが、その方のことを心配して寄り添うという印象ではなかった。その傍らを何万もの人々が「見て見ぬふり」をして素通りしていく。都会のマンションやアパートでは、各家族、各個人は、内に閉じて生活することが当たり前になり、地方においても商店街や路地を自由に出入りできる開放的な空間は減少している。

人が身につけるべき共存の感覚は、子供の時に、商店家族が生業に精を出している姿や通りでの大人同士の立ち話のやりとりを見て、あるいは地域社会に見守られて育つ中で培われてきた。その意味では、街は子供たちが勝手に育つ役割を果たしていた。
「見ぬふりして見る」とは、子供が困っている時にすぐにでも手を差し伸べたい気持ちを抑えて、なるだけ自分で乗り越えられるよう見守ってあげることを云う。「見て見ぬふり」の対極である。



















by stylejapan | 2014-01-23 14:14 | 地域再生
<< どこかの地域が活性化のお手本になれば 活性化への道筋~求められる人材... >>