なぜ多くの知恵を結集して行った活性化策が思ったとおりの成果をあげられなかったのかという、その失敗に注目するところから始めるのが、実際に有用な活性化策のロールモデルを作る上で重要だと思う。
ガバメントの意味は、公共的な問題はすべて中央・地方政府が取り仕切っているという考えにあるが、ガバナンスの意味はこの逆であり、公共的問題はそれら行政だけではなく、その他の多くの人々により取り仕切られているという考えである。
そして、「多くの人々」という点がネットワークという言葉につながる。
政策という言葉からアプローチするとすれば、行政の政策だけが公共政策なのではなくて、行政以外の人々が形成・実施する政策も公共政策となりうる、となる。
同時に、ガバナンスの議論がより良い社会、希望の持てる社会への進化・発展に貢献するよう、常に皆で意識することである。逆から言えば、それらを行政だけの問題にするのではなく、ガバナンスにおける問題としても捉えるようにしなくてはならない、ということである。
そこで大切なことは、中央・地方の政府と“多くの人々”との協働による「より良い社会づくり」を念頭に置くことだと考えている。