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医薬品のネット販売について
医薬品の場合は、理論的に副作用が全くない医薬品はありえず、適正に使用することが不可欠であるが、適正に使用したとしても副作用や好ましくない作用がゼロではない。
医薬品のネット販売の是非を議論するには、社会的に医薬品に関する知識が充分に行き渡っていないために机上の空論になりがちである。

そこで、医薬品と離れた観点から述べてみたい。
かつて、街の中心部には時計店があったが、電器店が大型化していく過程において時計を目玉商品として扱うようになり、徐々に衰退していった。
メンテナンスを要する時計、販売に知識を要するメガネ、そして医薬品・・・モノがもたらす価値よりも、価格に意識が行き過ぎると、作り手および店側の意欲は損われ、価格が差別化の要因になったことで専門店の減少にもつながった。
大手の医薬品メーカーでさえ、開発商品の売り先の中心がディスカウントを前面に出したドラッグチェーンになったことで経営が維持できず、大衆薬部門からの撤退が続いている。
安易な発想での「売れるモノづくり」を目指す姿勢は製品がもたらす価値の勘違いにつながることもある。
最近の美白化粧品の問題も、本来のスキンケアのあり方から逸脱した発想があったと思う。

商品がもたらす「生活上の価値」を提供することが本分である商業を軽視し、モノ中心の発想でかつディスカウントを良しとする風潮は生活文化を豊かにはしないし、さらに専門店に彩られた個性的な街並みの形成につながらないと思う。

医薬品に話を戻すと、医薬品は特定の物質の性質に情報を合わせて製品とするもので、情報が大切となる。その情報のやりとりがあってはじめて製品となるので、ネット販売のように情報が一方通行的になるのは馴染まない。コンビニでの販売も然りである。電気製品とは異なりモノ自体では不完全な製品である医薬品の販売における、情報の提供とそのフィードバックが行われない状況に対して医薬品の学会等の専門家筋は反対しているのだが、その声は届かないでいる。
by stylejapan | 2013-09-22 11:34 | Selfcareについて
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