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共生社会
持続可能な経済社会の萌芽として、自分にとって得か損かを考えるのではなくて、皆にとってどんなに得になるかを考えようとする価値意識の転換点に僕たちはいる。背景には情報化の進展により、人々のつながり方が劇的に変化している状況があるだろう。

大量消費時代には、それぞれがモノやサービスを購入、消費することに喜びを感じたかもしれないが、それらによって分断されたコミュニティーを再構築させる新しい価値観が生まれつつあるように思う。

女性初のノーベル経済学賞を受賞したインディアナ大学教授エリノア・オストロム (Elinor Ostrom、1933年8月7日 - 2012年6月12日)は、彼女が政治学者であったために政治学と経済学との垣根を取り払ったとの評価もある。
今では、経済学と他の学問分野の交流は、政治学だけにとどまらず、制度や組織、人間行動まで含んだ、「知の再構築」と呼べるにふさわしい多様な学問分野の交流が行われている。

経済学を始め社会科学においては、共有資源の保全管理や環境問題に関して、個人や組織は全員で協力するよりは自分だけが得をするように利己的な動機に基づいて行動しがちであるから人々の自主性に委ねては不可能であり、その解決には、「国家による解決」か「市場による解決」の二つしかないという議論が主流であったが、彼女の経済学における最大の貢献は、第三の方法として、利害関係をもつ当事者が自主的に適切なルールを取り決めて保全管理をするというセルフガバナンス(自主統治)の可能性を示したことである。

彼女の研究は、共有資源の管理の研究から出発して、いかに人間は利害の対立を克服して協力を実現できるか、また、人間は、第三者の強制なしにいかに協力を実現するルールを自らが構築できるかを探求するものであり、アダムスミスが目指した「幸福で豊かな社会」の構築を目的とする経済学の発展に大きく貢献するものであると言われている。
by stylejapan | 2013-04-04 16:08 | 生活創造プロジェクト
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