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若者の自己実現
過疎が課題だろうか?

日本の可住地人口密度は996人/km²である。
類似国は韓国とバングラディッシュのみで、世界平均の84人/km²の10倍以上になっている。
一方、ヨーロッパは平均230人/km²である。そして、あのように悠然と暮らしている。

欧米の主要国は、km²当たり米国:40人、英国:267人、フランス:145人、ドイツ:337人、イタリア:253人で、日本の6~25分の1である。中国では152人、インドも406人で、日本より遥かに少ない。
以上のことから、日本は可住地割合が著しく小さく、可住地人口密度は世界でも稀なほど過密状態だとわかる。
つまり、「過疎」とはほど遠い。

過疎化が課題と言われる中で、疎んじられているのは、「自己実現への夢」ではないだろうか。
アメリカの心理学者・アブラハム・マズローは、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と仮定したが、地方には、住民が夢や自己実現を創出することを阻み、「自己実現喪失」を慢性化する地域体質がないだろうか。

都会と異なるのは、保守性、閉鎖性、寄り合い、有力者支配という昔からの地域体質が色濃く残っていることであろう。新しい試みに口出しする保守性、地域外からの刺激に耳をふさぐ閉鎖性、昔からの有力者が首を縦に振らなければ何も決まらない体制が、今なお残存している地方が多い。一言で言えば、その田舎の息苦しさを嫌って、若者はふるさとを捨てる。

地方の活性化に挑戦しようとすれば、まずもって、地域の保守性、閉鎖性、有力者支配に立ち向かわねばならない。
そのための手法の開発が地域活性化には必要だと思う。

地位への渇望、名声、利権、注目などを得ることに熱心な人は、心理学的には精神が満たされていない欠乏欲求が支配しており、自己実現などは意味不明で社会性は低いはずである。他人が夢やビジョンを創出することを阻む体質に通じている。
その意味で、手法の確立においては、ビジョンの構築により保守性を打破すること。地域外との交流によって閉鎖性を打破すること。地域住民の自治によって有力者支配を後退させることの三点が柱になると思う。

「年寄りが経営者であり続けるなら、せめて若い人の悪口を言わないという保障をしてほしい。もうひとつの注文は、時代の変化を勉強すること。やってみると、それが年寄りにとっていかに難しいかが良くわかる。徳川時代のように変化がほとんどない時代には、知恵なり経験則を持っている老人が長老として威張っていられた。現代は、あんまり世の中が進みすぎるものだから、わからないことだらけ。」(本田宗一郎)

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by stylejapan | 2013-03-30 17:02 | 地域再生
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