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小売業の理論
前にも述べたが、小売業はあまりにも身近すぎるために、簡単に捉えられる傾向にあるので、その理論について、いくつか紹介してみたい。

一般に小売業の進展には、次の二つのことが要因となって新たな動きが生まれるとされる。
そのひとつは、消費スタイルの変化への対応である。
ふたつ目として、法規制の変更が挙げられる。後者は、大店法による大型店の出店規制やその緩和,酒類やクリーニング取扱免許制度、OTC医薬品の緩和法規制の変更などであり、それらへの対応によって、小売業態の変化が生まれる。

1958年、マクネアによって「小売の輪」が提唱された。
彼によれば,革新的な小売経営は既存の小売業態よりも低価格で参入することで市場を獲得するが、やがてフォロワーとの競争過程においてグレードアップを図ることになり、この間隙にさらなる低価格で新規参入してくる革新的な小売経営に取って代わられる。
(例)「価格破壊」、「流通革命」を旗頭に三越など百貨店を抜きん出たダイエーのようなGMSは、成熟過程において業態が百貨店に似かよってきたときに、家電量販やファストファッションのようなカテゴリーに特化して低価格を訴求する業態の出現により劣勢に立たされるようになる。

このように,小売商業の発展を主導する新業態参入要因を価格とこれを規定するコストおよびマージンに見出し、革新的な小売経営を模倣するフォロワーと新たな革新者という競争主体の活動から小売業態の発展を説明する説である。
後に、ニールセンが提唱した「真空地帯理論」は、「小売の輪の理論」を発展させたものである。
小売業の進展や市場変化に伴い、既存の小売業態ではカバーできない「真空地帯」が生まれ、そこを埋める形で新たな小売業態が出現するという考え方である。
(例)低価格のコーヒーチェーンで注目されたドトールは、それよりも高サービス、高価格を志向するスタバの出現によって、ブランド力を後退させられた。

1966年、ホランダーは「アコーディオン理論」を提唱した。
彼によると、小売業は取り扱う商品ラインの幅が広い経営とそれが狭い経営が交互に登場して盛衰を繰り返すことが確認されると説明する。取扱商品ラインの視点から、専門業態と総合業態の交互盛衰という事実のなかに小売商業の発展のパターンを見出したことにその特徴と意義があるとされている。

これらは、アメリカの社会基盤に沿って提唱されたものであるので、細かく見ると、わが国の商業の発展と重ならない点もあるが、小売業に関しての認識を深める点においては有効かもしれない。
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by stylejapan | 2012-09-13 11:18 | 商店街の活性化
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