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街づくりにおける人間性の視点
アメリカ人女性で、郊外都市開発などを論じ、また都心の荒廃を告発した運動家であるジェイン・ジェイコブズは、定住者が新規居住者を受け入れ、定住を手助けする状況から「創造性」や「多様性」のある街が生まれると論じた。

都市が多様性を持つための条件として、ジェイコブスは次の4つを指摘した。
①混用地域の必要性
一つの地域を住宅地やオフィス街など単一の用途に限定させず、2つ以上の機能を持つべきである。これは近代都市計画の単調なゾーニングに対する批判である。
②小規模ブロックの必要性
いくつものルートが利用できることで、そのつど新しい発見がある。大規模開発による効率重視の大ブロックへの批判である。
③古い建物の必要性
新しい建物ばかりでは、儲けの多い事業しか存在できなくなってしまう。再開発により一気に街が更新されてしまうことへの批判であり、古い建物も残した多様な都市をイメージしている。
④集中の必要性
高い人口密度で、子供、高齢者、企業家、学生、芸術家など多様な人々がコンパクトな都市に生活するべきである。

個人主義、個々人のつながり、アナログ感覚による人間性の復活、創造性、多様性などが街づくりを考える際のキーワードだと思う。
by stylejapan | 2012-06-25 10:50 | 地域再生
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