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グローバル化と文化の均質化
「グローバル化」というものの特徴のひとつは、やはり文化の均質化である。
例えば、どこに行ってもスターバックスのコーヒーが飲めるという状況だ。
海外では「Starbuckzation/スタバ化」という言葉まで生まれている。
かつて、長野県でスターバックスの誘致の署名運動があった。5000名の署名をもとに2003年に長野市に同県の1号店がオープンし、その初日の売上が世界記録だったというニュースがあった。
スターバックスがあることが文化的生活のシンボルであると考え、地域が文化的に遅れているからスターバックスを誘致しなければならないので署名活動という住民アクションが起きた。

しかし、「文化」というものは、特定の便利な生活を意味するものでも、芸術を楽しむゆとりを意味するものではない。
人の生まれ方から死に方まで、一定の地域で人たちが築いてきた生活文化の全体をさす。

有名なイタリアンやフレンチの店がある、中華の店や本格的なコリアン・レストランがある、メキシカンやタイ料理が味わえるから、地域の文化度が高いわけではない。
そのことは、その地域の歴史や、民族が積み重ねてきたずっしりと重いもの、つまり“文化”が切り離され、上澄みだけを消費する、ある種つまみ食いやアトラクションでしかない。
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フランスに進出したマクドナルドを破壊し逮捕された反グローバリズム運動を主導し続けるフランス中小農家組合「農民同盟」のジョゼ・ボベは、なぜグローバル化に異を唱えるのかの質問に対して以下のように答えている。
「一部の者だけが途方もない上前をはねる『支配の論理』だからだ。グローバル化のおかげで金持ちになったアフリカ人やイスラム教徒はいない。フランスであれ日本であれ、農業は細るばかり。今や世界の3富豪の所得が、貧困に苦しむ45カ国の歳入合計を上回る。グローバル化は貧富の差を広げている」

また、「反グローバル運動」とは言わず、「もう1つのグローバル運動」という言葉を使っている理由としては、
「われわれは地球規模の交流には賛成している。しかし、今のグローバル化は1つの価値観、1つの文化で均一化しようとしている。しかも、自由化だという。しかし、国や文化、人間によって同時にいくつもの世界が存在できるはずだ。そうした視点に立つのが、もう1つのグローバル運動だ」
by stylejapan | 2012-03-18 08:41 | 生活創造プロジェクト
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