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評価は迂回的に伝わる
生産から流通、販売、消費、顧客獲得にまで至る一切のことがマーケティングの課題だが、地場産業の多くは長期間にわたり下請けで来たために、生産から先のことに疎い傾向がある。

フィリップ・コトラーは、商品を「ニーズや欲求を満たすために市場に提供されるものすべて」と定義し、モノやサービスだけでなく、人、販売スタイル、組織、活動なども商品に入ると述べているが、そこからは、製品と合わせた販売スタイルの開発、およびビジネスモデルの構築が課題になることを示唆している。

一般的なブランド化が自社商品(サービス)の販売量の増加等による企業利益の増大であるのに対し、地域ブランドの取組みは、「モノ作りと連動した販売スタイル」によって直接的に顧客を獲得し、そこからさらに、そのような仕事に従事してみたいと思わせる「憧れ」を生み出すなど、多様な要因を通して、地域の経済的活性化や、住民の生活文化に対する満足度向上などの精神的活性化を含めたQOLの向上を目指すような社会性を軸に展開する方が、多くからの支持や共感を得やすいと思う。

また、皆が期待している評価とは、ほとんどの場合において迂回的に実現されるケースが多いと考えるべきだと思う。
周到に準備されたモノやサービスに対してだけではなくて、「想い」をかかげてチャレンジする姿、自らを変化させようとする姿に人は心を奪われる。
TEIBAN展や空中大和茶カフェが評価される要因もそこにある。

そして、良いチャレン ジをすると、それが迂回して誰かに伝わり、思いがけないところからその答えが返ってくる。このように迂回されて得られた評価が真の価値であって、モノと金の交換だけでは価値を醸成していない。単に相互間の移動でしかない。
顧客が顧客を増やしてくれる状況こそが重要であることを忘れてはならない。
だから、製品を開発して、その販路を求めるだけのような単純な発想では本当の評価は得られない、そして顧客の獲得につながらないのだと思う。
by stylejapan | 2012-03-03 08:50 | 地場産業の活性化
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