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個と全体
人間は何らかの職業に就き、その職務を自らの責任によって果たすことにより、はじめて社会的存在になる。
同時に他の人々との人間関係の中で自らの職能を果たし、それらの集合体として社会を形成している。
社会―人間協働を捉える際に、社会の中でいかに人間が共生していくか、そしてその中でいかに個人の経験と創造性をもって自由を表現させていくかが課題である。

人間は均一的な人々とのみ交わることに一種の安心感を得る傾向にあるが、そこでは自らの人間的な成長につながる出来ごとは少ない。
業界の発展のためと唱えながらも、閉鎖性を維持しつつ、組合人間、組織人間であることに安住するのであれば、イノベーションには程遠い。
実際に発展させるのは一部の個人の経験を背景にした創造性であり、強い想いである。それらが全体に反映させられた時にはじめて全体の発展につながる。

個人はそれ自体で様々な経験によって個の中に全体性を持ち、社会はそれらの個の集合体である。多様な考え、様々な職能をもつ人々が、課題に対して意見を出し合うことから本当の意味での全体感が出てくるのであり、集団や組織の決まりごとや一定の利害や価値観で個人の創造性を縛ってはならない。

個々の想いが新たな人間関係を育み、経験を積み重ねることが、まさに生きていることの実感であり、それらは変化に変化を重ね、成長に成長を遂げることを意味する。静止した状態の中からは何も生まれない。
個性を発揮するとは、全体の中で自らの役割を発生させることであり、同時に個人の中に全体を反映させることでもある。
by stylejapan | 2010-03-14 15:52 | 地場産業の活性化
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